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レコーディング中、もし空き時間ができたら録音の模様をアップしようと考えていました。とりあえずカメラだけ出しておいて、面白いことがあったらすぐ撮るつもりだったんです。しかし現場監督にはいろいろあるもの。なかなかそう、うまくはいきません。はたと思い出して手に取ったときにはもう、データ中に「撮りびと知らず」の写真がわんさか。おおっ、これは……。
面白いものです。なぜ山に登るのか、と問われて「そこに山があるから」と答えた登山家がいたような気がしますが、人はそこにデジカメが置いてあれば、とりあえず撮ってみるものなんですね。もちろん所有者の知れないカメラに触る人はいないでしょうけれども、この場合はスタジオの中の人間みんなが、このごっついカメラは僕のものだと知っている。「デジタルだし、いらなかったら消せばいいや」という感じで、ばしばし撮ったんだろな。
今回はその、伊藤か石原のどちらかが撮ったであろう写真を紹介します。どうやら、曲のある部分について何かを話し合っているようです。コード進行の確認でしょうか(知らず撮られていたので、話の内容は僕にもわかりません)。
こちらは撮りびと知らずの写真で、前作「おやすみモンスター」から部分的に共同プロデュースをしている、チャーベさんとのひとコマ。たぶんアレンジの方向性とか、一日の作業の進め方なんかを話し合っているところだと思います。チャーベさんは古典的な美しさが好きな僕とは全然違って、スタイリッシュな感性の持ち主なので、話していると時々面白い化学反応みたいなことが起きたりします。
これはいつだろう……(大丈夫か丈洋)。これほどの至近で全然レンズに気づいていないので、たぶんこのときは大音量が鳴っていますね。どのテイクをOKにするか、集中して聴いているのだと思います。しかし頭ぼさぼさだなあ。撮るって教えてくれたら、ちょっとは直したのに。
レコーディングはまだ続きます。今度は現場から(支障のでない範囲で)更新できたらいいなと思っておりますが、さあ、どうでしょう。
なるべくがんばってみます。
投稿情報: 21:22 | 個別ページ | コメント (5) | トラックバック (0)
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仕事の合間に外を出歩いていたときのことです。見たところ小学校にあがったばかりかな、という小さな女の子と、その母親が僕の前方を歩いていました。いまの子はかっこいい服着てるよなあ、二十数年前のキンカ堂じゃこんな服絶対売ってなかったもんなあ、などと思いつつ(上尾の話です)、歩幅が大きい僕は自然彼らに追いつき、追い越そうというところまで近づきました。すると、その親子のなにげない会話が耳に入ってきます。
「◯◯ちゃんも、××ちゃんも、消しゴムをなくすの」
そのときすでに僕の脳内では小学校低学年の教室風景が。誰の目にも留まることなく、コロコロと床を転がっていく角の取れた消しゴム。あとで掃除の時間になって、自分のなくした消しゴムがちりとりの中でホコリにまみれているのを発見すると、なんか複雑な気持ちになるんだよな。ああよかったとは思うんだけど、同じくらい残念でもあるという。
そんな僕の勝手な思いをよそに、へえそうなの、と相槌を打つ母親。子どもは元気に続けます。
「でもわたしはなくさないよ。わたしの消しゴムには、消しゴムの神様がいるの」
ぱっと目の前が開けた、という感覚がこのときありました。詩を読んで感動したときの気持ちにも近いです。「あ、出会った」と直感する、静かな衝撃とでも言うか。だって「消しゴムの神様」ですよ。なんか気の利いたこと言おうと思っても、こういう表現はなかなかできたものではない。背中で聞いたその言葉に、僕はとても感銘を受けたのでした。いいセンスしてる。
最近話題の「ルー語かるた」も、また違った意味で衝撃でした。「仏のフェイスもスリータイムズ」というのが、けっこう好きです。
投稿情報: 12:51 | 個別ページ | コメント (11) | トラックバック (0)
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ここのところ全然更新していなかったので、引き続き小ネタを。これは盛岡のライブハウス、CHANGE WAVEの楽屋で発見したメタリカのサイン。絶対にせものですね。もう、胡散臭くもないほどに。ライブハウスの楽屋にこういった「うそサイン」がよくあるのはミュージシャンの間では周知のことで、他にも「浜田省吾」とか「パフィー」なんていう走り書きを見かけたりします。ひどいものでは「マイケルジャクソン」とかカタカナで書いてあったりして、不意に見つけたりするとちょっと笑えます。だいたいこういうのって「似せようと努力した跡が全然ない」のだけど、個人的にはそこがツボです。なんか好感が持てる。
一方こちらは、かなり本物っぽいと思われます。うそサイン特有のどうでもよさとか、ある種の退廃みたいなものがない。むしろ「いかにも」という感じがしますね。
そういえば昔「ミックジャガー」っていうのも見たなあ。異様に達筆な。
投稿情報: 14:43 | 個別ページ | コメント (7) | トラックバック (0)
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ライブツアーというものをやるようになって9年くらい経つのだろうか。その間全国のいろいろなホテルに泊まってきたけれども、僕はあの、客室内に無料サービスとして置いてあるお茶、あれにまったく手をつけたことがなかった。実際ただのお茶だし、お茶のほうからも「いや、自分とりあえず置かれてるだけなんで……」という遠慮がちな雰囲気を感じる。たぶんなければないで、特に不満も感じない代物だろう。
だけどこの間泊まった部屋で、僕はたまたまそのお茶が「梅こぶ茶」であることを発見した。緑茶でも梅こぶ茶でもおんなじだよと言われたらまあ、そうなのだけど、でもね。僕はなんだかそこにささやかな主張を感じたのです。ちょっとしたひねり、と言ってもいいかもしれない。それが「当ホテルではあえて梅こぶ茶をお出ししております」という、ホテル側の心憎い(?)はからいなのかどうかは知らないが、とにかく僕はその、いつもとはちょっとだけ違う感じに「お」と思って、初めて客室のお茶に手を伸ばしてみたのだった。これがおいしかった。連泊だったので翌日も飲んでみたが、やっぱりおいしかった。なんだ、おいしいんじゃないか、梅こぶ茶。それまでは売っているのを見ても「誰が飲むんだろう」くらいに思っていて興味ゼロだったのだけど、ふとしたことで関心が一気に高まってしまった。
これからは創作のおともに、梅こぶ茶かな。
投稿情報: 13:44 | 個別ページ | コメント (9) | トラックバック (0)
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