日々、創作に励んでおります。そしてまた、日々考えております。身近な人のことや目の前にある世界のこと、いつもライブに来てくれるみんなのこと、たまにしか会わない人のこと、それからときどき、自分のことなどを。流し聞きしていて今まであまり興味のなかった音楽なんかも思い立って聴いてみたりしました。いろんな人がいて、いろんな音楽があります。でもそれによってある巨大な世界が網羅されているかと考えたとき、そんなことはないな、と思えてしまうのはなぜだろう。こんなにもたくさんの音楽が溢れているのに、そしてそれらのほとんどをぼくは「良い」と感じているのに、なにかが足りない気がする。これはものを作る人が広く一般的にもっている感情なんじゃないかという気も、ちょっとします。「わたくしという現象」が足りないと思う気持ち、というか。
こういうこと考えている人って世の中には大勢いると思うんですけども、そのどれもが音楽とか映像とか物語の形をとって表れているというのは、なんだか当たり前なのに面白いですね。1対1のコミュニーケーションには限界がある、どうしても超えられない壁があると、いち早く感じた人から「わたくし」というものを何か別の形に変換し始めるんだろうな。
そんなことを考えながらの創作道中ですが、それはさておき、ひとつお知らせです。4月25日に発売される松たか子さんのアルバムに、ぼくと素生の書き下ろしがそれぞれ1曲ずつ収録されます。こちらもぜひ、聴いてみてくださいね。